仏陀って

仏陀こと,ガウタマシッダールタこと,釈尊さんをご存じか。

仏教の開祖として知られる仏陀(以下略)は,王族であった身分を捨て,仏教を開いたとされている。

ここまでは一般常識のレベルである。そもそも一般常識とは,一般人が知っておくべき知識ではなく,一般人ならここまで知っておけば実生活で困らないよね。という意味合いではないだろうか。

閑話休題

仏陀は快楽や欲を取り払い,完全な無を目指した。その境地が「涅槃(ニルヴァーナ)である。しかし,一般人が楽しいことも辛いことも感じずに暮らすことがどれほど苦しいことなのか。

 

仏陀は「涅槃」を他人に強制していない。あくまで彼の意識の中で理想の境地として「涅槃」が存在するだけである。ましてや彼は仏教を広めようとすらしていなかったという。であるならば,彼は仏教の開祖であるのだろうか。あくまで仮説だが,所詮彼は弟子たちから進行の象徴として崇め奉るために用意されたマネキンだったのではないだろうか。

「涅槃」快楽も欲も取っ払い,無であろうとする境地を一般人は理解できるだろうか。

いや,だからこそ涅槃は一般常識ではないのだ。

参考文献 『教団X』 中村文則 集英社文庫